2026.03.18

お墓の生前購入は相続税の節税になる?「祭祀財産」の基本ルール

画像:戸塚長沼霊園(横浜市栄区)

「お墓を生前に買えば、相続税が安くなると聞いたけれど、本当だろうか?」そのような疑問をお持ちの方は、少なくないと思います。

結論からお伝えすると、条件を満たせば、確かに節税効果があります。ただし、重要な条件が一つあります。この記事では、そのポイントを簡潔にご説明します。

お墓や仏壇は相続税がかからない「非課税財産」

まず、知っておいていただきたい基本知識があります。

墓地・墓石・仏壇・仏具などは、法律上「祭祀財産(さいしざいさん)」と呼ばれます。相続税法第12条により、祭祀財産は相続財産に含まれないと定められており、相続税が一切かかりません

預貯金や不動産などは遺産として課税対象になりますが、お墓はその対象外です。この「非課税」という性質が、節税につながる仕組みの根拠となっています。

ただし、次のようなものは非課税と認められないケースがありますのでご注意ください。

  • 純金製の仏具など、社会通念上不自然に高額なもの
  • 売却・投資目的で購入したもの

あくまで「祭祀のために使うもの」であることが前提です。

【最重要】節税効果を得るための絶対条件は「生前購入」

節税効果を得るうえで、絶対に押さえておきたい条件があります。それは、被相続人(財産を残す方)が、生きている間にお墓を購入しておくことです。

仕組みはシンプルです。

  • 現金・預貯金は課税対象の財産です
  • お墓(祭祀財産)は非課税の財産です

つまり、生前に現金をお墓に換えておくことで、課税対象となる遺産の総額を減らすことができます。

【例】遺産総額が5,000万円の場合に、生前に200万円のお墓を現金一括で購入しておくと、課税対象の遺産は4,800万円になります。

また、ローンで購入し、完済前にお亡くなりになった場合、残債(未払い金)は遺産から差し引くことができません。そのため、節税を目的とするなら、現金一括払いが推奨されています。

死後に遺産でお墓を買っても、相続税からは差し引けない

「亡くなってから、遺産でお墓を買えばよいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは節税になりません。

被相続人が亡くなった後、遺族が遺産の中からお墓を購入しても、相続税の計算上、その費用を差し引く(控除する)ことはできないと定められています。

節税効果が生まれるのは、あくまで「生前に購入した場合のみ」です。この点が、最も重要なポイントです。

まとめ

ポイント内容
お墓の税務上の扱い祭祀財産として非課税(相続税法第12条)
節税になる条件被相続人が生前に現金一括で購入
節税にならないケース死後に遺産から購入/ローンの残債あり

お墓の生前購入は、正しい方法で行えば、有効な相続税対策の一つです。

ただし、節税だけを優先して親御さんが独断でお墓を決めてしまうと、「場所が遠くてお参りに行きづらい」「管理をどうすればよいかわからない」といった、ご家族間のトラブルにつながることもあります。購入前に、ぜひご家族でしっかりと話し合われることをおすすめします。

具体的なお墓選びについて疑問や不安がございましたら、編集部が厳選した墓地の住職が丁寧にご説明いたします。どうぞお気軽にお寺までご相談ください。