2026.04.11
著名人の相続放棄ニュースに学ぶ!「現金化できない遺産」の罠とこれからの終活プラットフォーム
画像:磯子観音金蔵院(横浜市磯子区)
著名人のニュースで話題に!遺産があるのに「相続放棄」を選ぶ理由
最近、ある著名人のご遺族が遺産を相続放棄したというニュースが大きな話題となりました。「あれだけの財産があるのに、なぜ?」と不思議に思われた方も多いのではないでしょうか。
実は、相続放棄という選択の背景には、私たちが想像する以上に複雑な事情が隠れていることが少なくありません。今回は、この話題をきっかけに、遺産にまつわる「見えないリスク」と、生前にできる準備についてお話ししたいと思います。
お金の問題だけじゃない?「負のレガシー」との心理的決別
相続放棄の理由は、必ずしも金銭的なものだけとは限りません。過去に確執のあった家系との繋がりを、自分の人生に持ち込みたくないという拒絶反応もあると言われています。
遺産放棄は、お金の問題以上に、その家が背負ってきた「負のレガシー(歴史)」との絶縁を目的とした、心理的な決別であった可能性も考えられます。財産を受け取ることは、その家の物語を引き継ぐことでもあるのですね。
要注意!すぐには現金化できない「非流動資産」の落とし穴
もう一つの大きな理由が、「非流動資産」の存在です。著作権や、底地・借地権といった不動産は、引き継いだとしてもすぐに現金化することが非常に難しい財産です。
帳簿の上では大きな価値があるように見えても、実際にはそれを維持・管理するための負担ばかりが先に立ってしまう、というケースは決して珍しくありません。
帳簿上の評価額と実際の「換金性」は大きくズレる
特に底地のような土地は、借地人の権利が法律で強く守られているため、所有権があっても自由に売却したり建て替えたりすることができません。そのため、帳簿上の評価額と、実際に売れる金額との間には大きな乖離が生じてしまうのです。
「価値ある資産」のはずが、いざ現金にしようとすると思うように動かない──これが非流動資産の難しさです。
タイムリミットは10ヶ月!急な売却で足元を見られる悲劇
さらに厳しいのが、相続税の納付期限です。相続が発生してからわずか10ヶ月という短い期間で、多額の現金を準備しなければなりません。
この期限に追われて不動産を急いで売却しようとすれば、買い手に足元を見られて大幅に買い叩かれてしまうこともあります。残されたご家族にとって、これほど辛い状況はありません。
家族のトラブルを防ぐ「生前の準備」と、その難しさ
こうしたトラブルを防ぐためには、不動産の生前整理や、「公正証書遺言」によって財産の帰属先をあらかじめ指定しておくのが理想だと言われています。
ただ、正直なところ、そこまで準備周到にご自身の死と向き合える方は、本当にごく僅かではないかと思います。多くの方にとって、死の準備は「いつかやろう」と先送りにしてしまいがちなテーマですよね。
お墓の生前契約は「節税」以上の意味をもつプラットフォーム
そんな中で、お墓の生前契約(寿陵)は、無理なく始められる終活の第一歩としておすすめできるものです。これは単なる節税対策ではありません。残されるご家族への「メッセージ」を、菩提寺のご住職と一緒に形にしていける、大切なプラットフォームでもあるのです。
ご自身がどんな想いで、どんな場所に眠りたいのか。それをご住職と共有しておくことは、ご家族にとって何よりの道しるべになります。
まとめ
お完璧な終活ができる方は、本当に稀です。編集部が取材したお寺の檀家さんでさえも「はっきりと家族に意思表示をしていないが、うまくやってくれると思っていた」と、あらためて終活を意識した人が多かったです。だからこそ、まずはお墓という「家族へのメッセージを残す場所」から始めてみてはいかがでしょうか。疑問や不安があっても大丈夫です。
お墓選びや終活について疑問や不安がございましたら、編集部が厳選した墓地の住職が丁寧にご説明いたします。どうぞお気軽にお寺までご相談ください。